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歴史人物年齢学

あなたと同じ歳の時、
歴史上の人物は何をしていたか?
年齢で見る歴史人物ショートストーリー。

太田蜀山人 四十六歳

幕府の人材登用試験に首席合格。

蜀山人は、やはり武士であった。武士としてお役につき、奉公をしなければならないと痛切に感じていた。しかも、自分の息子のためにも、太田の家を潰すわけにはいかなかった。世は寛政の改革、老中首座の松平定信は、文武の奨励を強引に押し進めた。その時、ある狂歌が蜀山人の作ではないかと疑われたのである。
『世の中に蚊ほどうるさきものはなし ぶんぶ(文武)といふて夜もねられず』
蜀山人は、これをきっぱりと否定した。
「幕臣であるこの身が、かような歌をつくるはずはない。しかし、わしはこれで汚名を流した」
蜀山人は、この事件をきっかけに狂歌の道から身を引き、幕臣としての道を選んだ。その再出発として彼は、幕府の人材登用試験に挑戦したのである。『論語』、『詩経』の解釈や口頭試問など、困難さを究める試験である。

そして、蜀山人は、何回もの試験の後、ついに首席で合格する。天性の才能を持つ蜀山人ならではの快挙。この時、彼は実に四十六歳もの年齢であった。

太田蜀山人(1749~1823)

江戸牛込で、武士の子として生まれる。十五歳の時、内山賀邸の門に学ぶ。狂歌の名手として名を馳せる。幕府の役人としても勤務。

梟

 

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