あなたと同じ歳の時、
歴史上の人物は何をしていたか?
年齢で見る歴史人物ショートストーリー。
北条政子 四十九歳
尼将軍として政治の表舞台に登場。
正治元年(1199年)源頼朝が、この世を去った。頼朝亡き後、その妻政子は長男の頼家を将軍にして幕府を盛り立てていこうとしていた。ところが、当の頼家は、遊んでばかりで少しも将軍職を遂行しようとしない。
「このままでは、御家人たちが、将軍家から離れてゆく。実朝を立てよう」
彼女は、突然頼家を廃位させ、その弟実朝を三代将軍に立てるのだった。
頼家は、この後政子の父北条時政の手により暗殺されてしまう。その暗殺を政子が知っていたのかどうか。それは、定かではない。
「ついに、母一人、子一人になってしまった。実朝、わたしはもうおまえだけが頼りだよ。武家の棟梁としてたくましく成長しておくれ」
政子は、病弱な実朝にせつない願いをかけていた。
その後、父時政が実朝を除こうとしたとき、政子は迷うことなく父を追放し、弟の義時らと政治の実権を握る。まさに、母の愛がつかんだ政権であった。時に政子四十九歳である。
北条政子(1157~1225)
鎌倉幕府の創設者、源頼朝の妻。頼朝の死後、北条氏一門とともに幕府の中心として政治を行った。