徒然歴史散歩
ーゆるりと気になったことー
箱根・富士屋ホテルとフルベッキ群像写真
箱根・宮ノ下にある富士屋ホテル。明治11年(1878年)に開業し、ヘレンケラーやチャーリー・チャップリン、ジョン・レノンとヨーコ・オノ夫婦などの著名人や、昭和天皇・皇后両陛下も宿泊した由緒あるホテルだ。
創業者の山口仙之助は慶應義塾に入学し、福沢諭吉に国際観光の重要性を説かれ、箱根でホテル業を始めるのを決意した。当時、在日している外国人の憧憬の的が箱根・富士山であったことも決め手になったようだ。
現在、宿泊客へのサービスで、ホテルスタッフによる館内・館外ツアーが行なわれている。
館内で思わず見入ったのが、「フルベッキ群像写真」だ。これはオランダ出身の宣教師・英学校教師フルベッキが塾生たちと長崎で一緒に撮ったものと言われているが、コラージュ(合成)説、幕末の志士たちの集合写真説など、いろいろな説があり、現在解明が進んでいる。
コラージュ説だが理由として、撮影年が明治元年(1968年)だとしたら、坂本龍馬・高杉晋作・中岡新太郎など、写っているはずのない人が写っている点や、当時はこのような集合写真を写せる技術がなかった点を挙げている。しかし、このレベルの写真は当時の技術でも十分に可能だったようだ。本物だとしたら、みんな何分位じっとしていたのか興味深い。
この写真がコラージュだとしたら、それはそれでよくできているのではないか。ビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のレコードジャッケットを思い出してしまった。